意志で止めようとしない。——ルールで止める。
これが、3年間で出した僕の結論だ。
意志は減る。夜の2時、不安で眠れない日の意志は、朝の意志の半分もない。だから意志に頼る対処は——必ず失敗する。
代わりに使うのはルールだ。ルールは疲れない。ルールは夜も朝も同じ数字を指す。
そもそも「依存」と「習慣」の境目はどこか
依存と習慣の違いを、僕はこう定義している。
「やめようと思って、やめられない状態。」
月に5回電話しても、自分で選んでそうしているなら、それは習慣だ。月に1回しか電話していなくても、「かけないと落ち着かない」なら——それは依存に近い。
金額ではない。頻度でもない。コントロールが自分の手にあるか、だ。
僕がやめようとして失敗した3つのこと
最初に告白しておく。——僕はこの3つ、全部やって失敗した。
失敗1:アプリを削除する。
3日後、ブラウザから入り直していた。
失敗2:「今月はもう使わない」と決める。
月末、焦ったときほど電話した。
失敗3:彼氏・家族に「やめる」と宣言する。
隠れて使うようになった。——罪悪感が増えて、よけいに使った。
意志で止める方法は、全滅だった。
ルール1:月予算1万円を「先に別口座」に隔離する
1つ目のルール。——使う金額を、使う前に別の場所に移す。
僕は楽天銀行のサブ口座を使っている。毎月1日、メイン口座から1万円をそこに自動振替する。電話占いの支払いは、そのサブ口座に紐づいたデビットカードからしか引き落とさない。
月の半ばで1万円を使い切ったら——そこで終わる。カードが通らない。悩む余地がない。
これがルールで止めるということだ。意志で「もう使わない」と決めると破る。しかしカードが通らなければ——物理的に使えない。
重要なのは「残高が減る可視化」ではなく「上限の物理化」だ。可視化は不安を増やす。物理化は安心を増やす。
ルール2:電話の前に「24時間ルール」を挟む
2つ目のルール。——電話したくなった瞬間から、24時間は電話しない。
これはAmazonで高い買い物をするときの「カートに入れて一晩寝かせる」と同じ原理だ。衝動の8割は、24時間経てば消える。
やり方はシンプル。「電話したい」と思ったら、スマホのリマインダーに「24時間後に電話する」と入れる。それだけ。
24時間後、リマインダーが鳴ったとき——まだ電話したければ電話する。僕の実感では、7割の日はリマインダーが鳴った時点で「なんで電話しようと思ってたんだっけ」になっている。
消えた3割だけ、本当に相談したいことだ。
ルール3:1回の電話は「20分タイマー」で切る
3つ目のルール。——電話を始める前に、タイマーを20分で鳴らす。
電話占いの課金は分単位だ。1分250円〜400円が相場。30分で1万円を超える。気づいたら1時間経っていた——これが月10万円コースの入口だ。
20分という数字には根拠がある。占い師の鑑定の「核」は、だいたい最初の15分に出る。残りの時間は——深掘りという名の雑談に変わっていくことが多い。
僕のルール:タイマーが鳴ったら、その通話中にどんな「いいところ」に話が進んでいても、切る。切った後に後悔することは、ほぼない。
3つのルールを合体させると、月予算は勝手に1万円に収まる
月1万円の口座 × 24時間ルール × 20分タイマー。
これで月の電話回数は、どんなに多くても3〜4回に収まる。1回20分×400円=8,000円。1回でほぼ使い切るときもあれば、2〜3回に分けることもある。
どちらでも、月1万円を超えない。——意志ではなく、ルールが止めている。
ルールを破りたくなる日が、必ず来る
ここで正直に書く。——ルールを破りたくなる日が、必ず来る。
彼氏と喧嘩した日。上司に理不尽に怒られた日。健康診断で引っかかった日。そういう日、「今月はもう使ったけど、今日だけは別口座から出そう」と脳が囁いてくる。
そのときの対処も、ルール化しておく。
「ルール外で電話したくなったら、先にスマホのメモ帳に相談したい内容を3行書く。」
3行書いた時点で、頭の中がだいぶ整理されていることに気づく。書き終わって「やっぱり電話する」なら、しろ。僕の経験では——書き終わってそのまま寝る日のほうが多い。
ルールが効かなくなったら、プロに相談していい
最後に、これは書いておきたい。
3つのルールを試しても、月の使用額がコントロールできない状態が3ヶ月以上続くなら——専門家に相談していい。依存症外来、精神科、心療内科、公的なギャンブル依存症の相談窓口(電話占いもこのカテゴリで相談できる)。
僕はカウンセラーではない。医師でもない。この記事は、僕が自分で試して効いた方法の話だ。効かない人がいるのは当然で、そのときは一人で抱え込まなくていい。
僕の現在地
今、僕は電話占いを月に1〜2回使う。——やめていない。
ただし、月末にクレジットカードの明細を見て「あれ、いくら使った?」と青ざめることは、もうない。
ルールがあるからだ。
意志で止めるのではない。ルールで止める。——これだけで、3年苦しんだ問題の8割が片付いた。
次の一歩
衝動の「間」を作る習慣として、瞑想アプリを使っている。日本製の「Awarefy(アウェアファイ)」は、不安や衝動を感じた瞬間にタップして、呼吸だけに1分集中する機能が使いやすい。無料で試せる。
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本記事は個人の体験と考察に基づくものであり、医療行為や治療を目的としたものではない。依存の状態に不安を感じる場合は、専門家(精神科・心療内科・公的相談窓口)への相談を勧める。